就職活動では、何十社もの企業のインターンや選考に参加し、数えきれないほどの質問をされることになります。さらに、その質問に的確に回答しなければならず、心が折れてしまいそうな就活生は少なくないと思います。
すべての回答を完璧に準備しておくことは不可能かもしれませんが、どんな企業でも聞かれるような代表的な質問の回答を準備しておくことはできます。
そこで本記事では、インターンや選考で聞かれる代表的な質問例とその回答の考え方・答え方について解説します。
面接の質問は対策すれば問題なし!
面接の質問は、無限に種類がありどうしようがないと思っている人もいるかもしれません。しかし、質問の特徴さえ掴めていればある程度対策することができます。そこでここからは、面接で聞かれる質問の特徴について解説します。
新卒採用面接での質問はどの企業も似通っている
そもそも、新卒採用面接の質問はどの企業もかなり似通っています。そのため、代表的な質問の回答を事前に準備することができれば、面接中に焦ることも少なくなります。
しかし、質問の回答は、企業の求める人物像や社風、サービス内容を踏まえるべきなので、1つの回答を作って使いまわすというのはよくありません。そのため、事前に企業分析をした上で企業ごとに回答を準備しておくようにしましょう。
スキル以上に人柄や意欲を見極めるための質問が多い
企業が新卒で入社する社員に求めるものは何でしょうか?
中途採用であれば、スキルや実績があり、即戦力となる人材を求めているでしょう。しかし、新卒入社の社員にそのようなことは求めていません。企業が新卒入社の社員に求めることは以下の通りです。
- 会社の社風や方向性に共感している
- 将来の活躍が期待できる
つまり、面接ではスキル以上に将来性や意欲を評価しているのです。そして、その将来性は成長意欲や柔軟性・素直さ、入社意欲などから判断しているのです。
そのため、質問に回答する際は、スキル面をアピールするのではなく、「うちの社風に合いそう」「素直に話を聞き、成長しそう」と面接官に思われるような回答を意識しましょう。
準備をせずぶっつけ本番は言語道断!
ここまでの解説を読んだ人は何となく気づいたかもしれませんが、何の準備もせずぶっつけ本番で面接に挑むと悲惨な結果になりかねません。
日頃から話をするのが好きだったり、大人とも難なく話せると思っている人ほど要注意です。面接はただの会話ではなく、いかに自分のアピールできるかが問われる場だからです。
つまり、日常会話のようにスムーズに会話ができていたとしても、何のアピールもできていなければ、面接官に好印象を与えることはできません。
面接でよくある質問|自己PRで押さえる5つのポイント
自己PRは、面接の冒頭で聞かれる可能性が高い質問です。
そのため、この回答があなたの第一印象となり、面接時間全体の雰囲気を決定づけると言っても過言ではありません。どんなに時間がない状況であっても、この質問に対する回答だけは準備していくようにしましょう。
自己PRを考える際に押さえるべきポイントは主に以下の5つです。
- 自己分析
- 簡潔にまとめる
- プロセスを重視する
- 企業とのマッチングを意識する
- 活かしたい自分の特徴をアピール
それでは詳しく見ていきましょう!
①自己分析
まず1つ目のポイントは「自己分析」です。
自己PRでは、自分の魅力や価値観を伝える必要があります。しかし、自己分析ができていないと、言語化しようと思っても上手く言葉にならず、結局何を言っているのかわからなくなってしまいます。
そのため自己PRを考える際は、まず自己分析を行い自分の強みや弱み、大切にしていることなどを明確にしましょう。
②簡潔にまとめる
2つ目は「簡潔にまとめること」です。
どんなに入社意欲が高く、熱意がある学生だったとしても、何を言いたいのかがわからないと良い印象を与えることは難しくなってしまいます。そのため、自己PRはできるだけ無駄な言葉を省き、簡潔にわかりやすくなるように心掛けましょう。
③プロセスを重視する
3つ目は「プロセスを重視すること」です。
自己PRと聞くと、「これまでに自分が成し遂げた実績をアピールする場」と思ってしまう就活生も多いと思いますが、それは間違いです。自己PRでは、学生の人柄や考え方がわかる成果を出すまでのプロセスが重要なのです。
そのため自己PRを考える際は、実績に固執するのではなく、成果を出すまでの過程で工夫したことや乗り越えた苦難などを盛り込むようにしましょう。
④企業とのマッチングを意識する
4つ目は「企業とのマッチングを意識すること」です。
企業はいくら優秀な学生であっても、社内の雰囲気に馴染めなさそうな学生や求める人物像とかけ離れた学生であれば、合格を出すことはありません。そのため、自己PRでは、自分自身をアピールしつつも、企業とのマッチングを意識しなければならないのです。
⑤活かしたい自分の特徴をアピール
最後は「活かしたい自分の特徴をアピールすること」です。
選考の面接であれば「入社後に自分のどんな特徴を活かせるか」、インターンの選考であれば「インターンで自分のどんな特徴活かせるか」について考えましょう。自分の特徴をアピールすることにより、企業側に自分を採用するメリットを提示することができるのです。
内容よりも伝え方が大切!自己PRの伝え方
魅力的な自己PRを考えることも重要ですが、伝え方を工夫することが重要です。
- 冒頭で「結論」を述べる。
- 面接中は面接官とのコミュニケーションを大切にする
- 最後はしっかりと熱意を伝える!
まず、冒頭で気を付けるべきことは、「結論から述べる」ということです。結論を先に述べることで、聞き手も話を聞きやすくなり、自分が伝えたいことが伝わりやすくなります。
そして、自己PRに限らないことですが、面接の最中は面接官とのコミュニケーションを意識しましょう。事前に準備をすると、暗記したものを口に出すだけの作業になってしまい、一方的に話してしまう可能性があるので要注意です。
そして、自己PRの最後には、しっかりと熱意を伝えましょう。熱意と言っても勢いだけの「頑張ります!」や「参加したいです!」というようなものではなく、「参加・入社することができたらどういった経験を積みたいか」ということを具体的に伝えるようにしましょう。
面接でよくある質問|学生時代に頑張ったことは何ですか?
学生時代に頑張ったこと、通称「ガクチカ」は、どんな企業の面接でも聞かれる上に、周りの学生のエピソードの凄さに危機感を感じる就活生も少なくないと思います。
しかしガクチカとは、希少な経験やすごい実績を披露して、面接官を驚かせるための質問ではありません。そこでここからは、ガクチカにおいて面接官が見ているポイントや考え方・答え方を紹介します。
「ガクチカ」と自己PRの違いを理解しよう!
そもそも、ガクチカと自己PRの違いを正しく理解できていない就活生が多く見受けられます。そこでまずは、ガクチカと自己PRの違いについて解説します。ガクチカと自己PRの違いは以下の通りです。
種別 | それぞれの特徴 |
---|---|
ガクチカ | 学生時代に力を入れて取り組んだこと |
自己PR | 自分の強みやアピールポイント |
このように、ガクチカと自己PRには大きな違いがあります。しかし、話すべき内容は違うものの話のゴールポイントは同じです。どちらも最終的には「その経験や強みを活かしてどのように企業の役に立てるのか」を述べる必要があるのです。
面接官が見ている3つのポイント
ガクチカはエピソードの凄さを見られているように感じるかもしれませんが、実際は全く違います。どんな凄いことを経験していたとしても、ただの自慢話になってしまっては意味がありません。
そこでガクチカにおいて面接官が見ているポイントを3つ紹介します。ガクチカを考える時はこれらのポイントを意識して考えましょう。
- 実績を残した経験があるか
- 人柄や意欲、思考力があるか
- 入社後の活躍が見込めるか
実績を残した経験があるか
1つ目のポイントは「実績を残した経験があるか」というポイントです。
実績を残した経験を伝えることができれば、面接官もその学生の入社後を想像しやすくなります。さらに、具体的な数値などの客観的な数値を提示することができれば、信ぴょう性も増すのでおすすめです。
人柄や意欲、思考力があるか
2つ目のポイントは「人柄や意欲、思考力があるか」です。
いくら優秀な実績を残している学生であっても、周りのメンバーと協力できなかったり、物事に対するモチベーションが低いと「この学生と一緒に働きたい!」と思ってもらうことはできません。
そのため、実績を重点的にアピールするのではなく、その成果を出すまでのプロセスを伝え、自分自身の人柄や思考力、物事に取り組む姿勢についてアピールするように心掛けましょう。
入社後の活躍が見込めるか
最後は「入社後の活躍が見込めるか」ということです。
ここまで説明した実績や人柄をアピールすることは非常に重要です。しかし、それだけで終わってしまうと、アピール不足なってしまいます。
ガクチカの最後には必ず結論として、その経験から得た学びを述べましょう。そして、その学びを企業が求める人物像などと結びつけることができれば、非常に有効なアピールになります。
ガクチカを見つける簡単な方法
「魅力的なガクチカを答えられるようにしないと!」と思えば思うほど焦ってしまい、なかなか思いつかなくなってしまいます。
日常的なエピソードだとインパクトが弱いように感じますが、先ほども紹介した通り、ガクチカでは人柄や物事の考え方も評価の対象です。
そのため、日常的なエピソードでも全く問題ないのです。ただ、主観的な内容になってしまうと自己満足に聞こえてしまうので、家族や友人の言葉などを添えるといいでしょう。
- 日常的な習慣を詳細に書き出す
- 書き出した習慣の中から、意識的に行っていることをチェックする
- チェックした習慣を深堀して、その習慣から得たことを考える
このように、あなたの生活の中でも意外とエピソードになるような体験は転がっているはずです。
諦めずにこれまでの経験を振り返ってみましょう。
よくある質問|就活の軸は何ですか?
就活をしていると、「就活の軸を持っていないといけない!」「就活の軸がわかっていれば企業を選びやすくなる」など、「就活の軸」に関することを耳にすると思います。
しかし、「言葉は知っているものの、自分にとっての就活の軸が何なのかがわからない」という就活生が多いと思います。そこでここからは、就活の軸を持つメリットや見つけ方・答え方について解説します。
面接で強い!就活の軸を持つメリット
「就活の軸」と聞くと難しい印象があり、考えることを避けている就活生も少なくないと思います。
しかし就活の軸を持つことができれば就活がスムーズに進む上に、就職先とのミスマッチを防ぐことができます。まずは、就活の軸を持つメリットを紹介します。以下の通りです。
- 自分に合った企業を見つけやすい
- 自己PRに説得力が生まれる
- 入社後のイメージが明確になる
- 就職後も理想の環境探しの基準になる
このように、就活の軸は就活を進めるにあたって重要な道筋となります。さらに、就職後のことや自分の人生全体について考えるきっかけにもなるのです。
すぐに見つかる就活の軸の見つけ方
就活の軸は、意外にも自分の日常や身近なところから見つけることができます。ここからは、就活の軸を見つける最も基本的な方法を紹介します。
それは「興味のあることを深堀していく」という方法です。具体的な方法は以下の通りです。
- 興味のあること、好きなことを書き出す
- 興味がある理由・好きな理由を深堀りする
- 深堀りしたことをもとにどんな仕事をやりたいかを考える
就活をしているとよく聞くかもしれませんが、何事も「なぜ?」と深堀りすることが重要です。自分自身に関してもそれは同じことが言えます。好きなものをそれぞれ深堀りしていけば、共通する理由が見つかることがあります。逆に、理由もなく苦手意識を持ってしまうものを深堀すると、自分が距離を置くべきものがわかったりもします。
そして、これらの理由や好き嫌いを判断する感覚は幼少期の経験に紐づいていることがあります。そこまで深堀することができれば、あなたの就活の軸は揺るぎのないものなるでしょう。
逆質問|「最後に質問はありませんか?」
面接の最後に、「最後に質問はありませんか?」と聞かれ、数秒考えた後「特にありません。」と答えたことはありませんか?
この質問は、「逆質問」と呼ばれ、面接官が優しいから聞いてくれているわけではなく、学生を評価するための一つの要素なのです。そのため、何も考えず、「特にありません。」と答えしまってはいけません。そこでここからは、企業が逆質問を行う意図や質問例などを紹介します。
逆質問における面接官が見ているポイント
逆質問は、面接官の配慮や時間潰しのように思うかもしれませんが、貴重な面接の時間を削ってまで質問することなので、企業側にもきちんと意図があります。その意図とは、以下の通りです。
- 自社に対する熱意を確かめたい
- コミュニケーション能力を見たい
そこでここからは、企業が逆質問を行う意図を詳しく解説します。逆質問に関して対策を練れていない人は、これらを意識しながら考えるようにしましょう。
自社に対する熱意を確かめたい
まず1つ目は「自社に対する熱意を確かめたい」という意図です。
企業は優秀な学生と同じくらい、自社に対する熱意がある学生を選びたいと思っています。そのため、逆質問では「入社する前提でないと出てこない質問」や「企業研究をしっかりと行ったうえでの質問」など、本気度が伝わる質問を用意しましょう。
コミュニケーション能力を見たい
そして2つ目は「学生のコミュニケーション能力を見たい」という意図です。
逆質問では質問の内容も重要ですが、面接終盤の気が抜けてしまうタイミングで、焦らずにしっかりと質問ができるかという部分も見られています。
また、単純にコミュニケーションをとれるだけでなく、相手との信頼関係を構築できるようなコミュニケーションができると、面接官は入社後に活躍する姿が想像しやすくなり、良いアピールとなります。
困ったときに役立つ逆質問例
逆質問の重要性をわかっていたとしても、結局何を質問すればいいのか迷ってしまうという場合もあると思います。そこでここからは、困ったときに役立つ逆質問を3つ紹介します。
入社意欲をアピールする質問
入社意欲をアピールするには以下の例文を参考にしましょう。
御社は昨年度からリモートワークを導入されたとお聞きしました。私自身、将来的に家事や子育てと両立しながら働きたいと考えており、リモートワークができるということは非常に魅力的です。リモートワーク導入後、社員の方々の働き方は実際どのように変化されたのでしょうか。具体例などありましたらご教示いただけますと幸いです。
質問の前半で、企業分析をしっかりと行っていることをアピールできています。また、中盤の部分で、自分自身の将来の働き方に関するイメージを持てていることがわかります。
さらに、具体例を聞くことで「入社後のイメージを膨らませたい!」という強い意思を伝えることができています。
業務での苦労に関する質問
業務での苦労に関する質問には以下の例文を参考にして見てください。
私は○○さんが所属されている■■部に強く魅力を感じているのですが、事前に知っておいた方がいい大変な業務や経験はありますか。また、入社前に取得しておいた方が良い資格などはありますか。
面接官が人事の方ではなく、実際現場で働いている社員の方である場合があります。そういった場合は、その社員の方が所属する部に関する質問をすれば、より正確な情報を聞くことができます。
また、苦労に関する質問のみで終わってしまうと、「できるだけ楽に働きたいんだな」「根気がないんだな」など、悪い印象を与えてしまう可能性があるので気をつけましょう!
自分のスキルをアピールする質問
自分のスキルをアピールする質問には以下の内容を参考にして見てください。
私は大学で○○を専攻しています。また、○○の資格も取得しているので、御社の□□の業務で活かせるのではないかと考えています。実際のところ御社の□□の業務で私の持っている知識を活かすことはできるでしょうか。
この質問では、大学で何を勉強しているのかということを具体的にアピールできます。他にも書き方によっては、留学経験やボランティア活動の経験などについてもアピールすることができます。また、「入社して活躍したい!」という意思も伝えることができるのでおすすめです。
まとめ
ここまで面接で聞かれる代表的な質問を紹介し、それぞれの考え方や答え方について解説してきました。
質問の回答に苦手意識を持っている就活生は多いかと思いますが、経験を積めば誰でもリラックスして挑めるようになります。
「3日前に受けた企業の回答を少しアレンジしたらいけそう」「このポイントさえ押さえておけば答えられる」など積み重ねてきた経験が自分を助けてくれるのです。
そのため、少し面倒かもしれませんが、選考には積極的に参加するようにしましょう。また、大本命の企業の選考を受ける前には、最低でも10社以上の面接を受けて慣れておくことオススメします。
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