インターンシップの応募理由を書こうとしても、言葉が出てこなかったり、思っていることを上手く表現できないなど、悩んでいる人は多いかと思います。
しかし、あまり難しく考える必要はありません。必要な情報を集め、自分と向き合い、正しい順番で書くことができれば、高評価を得られる応募理由となります。
そこで本記事では、インターンシップ応募理由の考え方から書き方まで、例文を交えて詳しく解説していきます。
インターンシップの応募理由は何を見られているの?
企業の人事担当が見ている応募理由は主に「自社の求める人材か否か」を見ています。
いくら高学歴で希少な経験をしている学生であったとしても、企業が求める人物像と離れていれば、入社しても活躍できない可能性が高く、「採用しよう!」とはなりません。
また、インターンシップの参加前にエントリーシートの提出を求める企業多くは、エントリーシートをもとに自社に必要な人材かを判断しています。
インターンシップの応募理由の考え方
「どうやって応募理由を書いたらいいの?」思う人が多いかと思います。
そこで、ここからは4つの段階に分けて、応募理由の考え方を紹介します。応募理由を書こうとしても進まない人は、どこが自分に足りない部分かを考えながら読んでみてください。
①自己分析ができていないと始まらない
まず1番初めに行うべきことは「自己分析」です。
インターンシップに参加する就活生であれば、少なからず、興味のある業界や気になる職種などはある程度明確になっていると思います。しかし、業界や業種について知識があるだけでは、企業に好印象を与える応募理由にならないことがほとんどです。
応募理由を考える際に必要となる自己分析は、「魅力を感じるきっかけになった原体験は何か」「なぜ自分がその企業に魅かれるのか」など、自分自身にしかない経験と思いを引き出す必要があるのです。
人材業界を志望している就活生がいるとします。彼は学生時代に塾で講師をしており、「人の成長」に関わることが自分のやりがいに繋がっているということがわかりました。
また、彼の兄は5年前に就職しましたが、毎日「会社がつまらない」「毎日同じ業務をこなしているだけ」というような愚痴をこぼしていました。その様子を見て、「社会人になっても自分の成長にワクワクできるような社会にしたい」という思いを抱くようになりました。
このように経験と思いはリンクしており、経験があるからこそ思いに説得力が生まれます。
そのため、「何となく○○業界に興味がある」「○○職は自分に合っている気がする」ではなく、そのように思うようになった経験と思いを言語化できるように自分自身の人生を振り返ってみましょう。
②企業分析は徹底的に!
2つ目に行うべきことは、「企業分析」です。
応募理由では、いくら自分の思いや経験が明確になっていたとしても、それが企業の求める人物像に合わなければ何の意味もなさないのです。
そのため、まずは企業の採用ページを見て下記の内容を確認しましょう。
- 求める人材について書かれているか
- ビジョンや経営方針
- 事業内容・サービス内容
そのあとは、企業ホームページを隅から隅まで確認し、ビジョンや経営方針、事業内容やサービス内容などをチェックしましょう。企業のホームページの充実度合いによりますが、これだけでもかなり多くの情報を仕入れることができ、企業分析ができます。
しかし、最低限の情報収集では、周りの就活生との差別化にはなりません。
絶対に選考を突破したいと強い気持ちがあるのであれば、応募理由を書く前に、OBOG訪問を行い独自の情報を集めるといいでしょう。応募理由にもOBOG訪問をしたことを書いておくと、志望度が高いこともアピールできるので非常におすすめです。
③他社比較は意外と重要事項
そして3つ目は「他社との比較」です。
「企業分析もしっかりしたし、そこまでしなくても良くない?」と思う人もいると思いますが、企業分析をして満足してしまうと「その応募理由だったら、同じ業界であれば別の企業でもよくないか?」と思われてしまう可能性があります。
そのため、同じ業界で同じような規模感、似たサービスを行っている企業については、しっかりとリサーチしておきましょう。また、他社と比較することで、企業ごとの魅力や弱点が見え、より自分自身に合った企業を見つけることができます。
④インターンの内容を確認
最後に大切なことは「インターンの内容の確認」です。
企業説明会やセミナーが主となる数時間のインターンと何日間かかけて行われる体験型インターンでは、学べることや経験できることが大きく違ってきます。そのため、インターンの内容を確認した上で、その内容に沿った応募理由を考えるようにしましょう。
インターンシップの応募理由の書き方
応募理由を考えたら、次は書く作業に入っていきましょう。
しかし、頭に思い浮かんだことを適当な順番で書いてしまうと、読みづらく伝わりにくい文章となってしまいます。そのため、ここからは読み手を意識したインターンシップの応募理由の書き方について紹介します。
間違いない!応募理由に書くべき内容と順番
書き方は、主に「内容」と「順番」が重要となります。
ここからは下の例文をもとに、応募理由に書くべき内容と書く順番について解説します。
応募した理由(就活軸)
まず1つ目は「応募した理由」を簡潔に書きます。
私が貴社のインターンシップに応募した理由は、「社会人であっても自分自身の成長にワクワクできる社会」を作りたいと考えているためです。
この部分はダラダラと書いてしまうと、伝えたいことが曖昧になってしまうので、可能な限り簡潔に書くようにしましょう。また、応募理由は自分の就活軸を含んだものにするとより説得力が増します。
理由につながる経験
2つ目は「応募理由につながる経験」を書きましょう。
私は大学1年生から個別指導塾でアルバイトをしています。アルバイトをする中で、自分の働きかけにより、勉強嫌いを克服し、大きく成長する生徒の姿を目の当たりにし、人の成長に携わっていたいと思うようになりました。また、私の兄は社会人5年目なのですが、成長機会がなく退屈だといっている姿を見て、「社会人でも自分自身の成長にワクワクできる社会を作りたい」と思い、人材業界でも有数のサービス数を誇る貴社のインターンに興味を持ちました。
理由を伝えただけでは、「なぜそんな思いを抱いたのかわからない」「選考に通るために適当に言っているだけだろう」と思われてしまう可能性が高まります。そのため、自分がこれまでの人生で経験したことや、そのような就活軸を持つようになった経験について書く必要があります。
また、ここでは企業が求める人物像に近しい要素があることをアピールするように心掛ける必要があります。企業が使っている表現をそのまま使ってしまうと、あまりにもわざとらしいので似た表現を使うなどの工夫をしましょう。
私が貴社のインターンシップに応募した理由は、「社会人であっても自分自身の成長にワクワクできる社会」を作りたいと考えているためです。
私は大学1年生から個別指導塾でアルバイトをしています。アルバイトをする中で、自分の働きかけにより、勉強嫌いを克服し、大きく成長する生徒の姿を目の当たりにし、人の成長に携わっていたいと思うようになりました。また、私の兄は社会人5年目なのですが、成長機会がなく退屈だといっている姿を見て、「社会人でも自分自身の成長にワクワクできる社会を作りたい」と思い、人材業界でも有数のサービス数を誇る貴社のインターンに興味を持ちました。
そのため、貴社のインターンシップに参加できることになった際には、チームメンバーと互いに高め合いながら、貴社のサービスや転職に関する知識を身につけていきたいと考えております。
インターンシップに参加することで何を得たいか
最後は「インターンシップに参加することで何を得たいか」について書いていきます。
そのため、貴社のインターンシップに参加できることになった際には、チームメンバーと互いに高め合いながら、貴社のサービスや転職に関する知識を身につけていきたいと考えております。
ここまでの2つの内容だけでもかなり熱意は伝わりますが、結局インターンシップでどのように成長したいのか、何を得たいのかを明確にできなければ、「この学生は参加しても積極的に参加しないな」と思われてしまう可能性があります。
そのため、プログラムの内容を把握した上で、得たいことや何をしたいか等を簡潔に書くよう、意識しましょう。
落とされてしまう応募理由の特徴
良い応募理由の書き方について解説してきましたが、ここからは絶対にNGな落とされてしまう応募理由の特徴を2つ見ていきましょう。
①ありきたりでオリジナリティーがない
まず1つ目の特徴は「オリジナリティーがない」応募理由です。
応募理由は自分自身の経験と思いを掛け合わせて書くものです。それなのに、よくありそうなエピソードや誰でも抱きそうな思いを書いているだけでは、何のアピールにもなりません。
そのため、オリジナリティーのある経験を学生時代にしておくことがベストです。しかし、そういった経験がない人の方が多いと思います。経験にオリジナリティーがないのであれば、経験を通して考えたことや感じたことをできる限り詳細に言語化し、思いの部分で差別化を図るようにしましょう。
②企業分析・他社比較が浅い
2つ目は「企業分析・他社比較が浅い」応募理由です。
同じ業界であれば似たようなサービスを展開している企業は多数あり、その違いが明確ではない応募理由を書いてしまうと、「この学生はうちじゃなくても良い」と思われて落とされてしまいます。
このようなことがないよう、その企業の特徴や独自性をしっかりと押さえた上で、応募理由を書くように心がけましょう。
応募理由のOK例文とNG例文
これまでに解説してきたことを踏まえて、選考に通過しやすい応募理由の例文と、落とされてしまう可能性が高い例文を紹介します。
OK応募理由
私が貴社のインターンシップに応募した理由は、人々の成長をサポートし、「社会人でも自分自身の成長にワクワクできる社会を作りたい」と考えているからです。
私は大学1年生から個別指導塾でアルバイトをしています。アルバイトをする中で、自分の働きかけにより、勉強嫌いを克服し、大きく成長する生徒の姿を目の当たりにし、人の成長に携わっていたいと思うようになりました。また、私の兄は社会人5年目なのですが、成長機会がなく退屈だといっている姿を見て、「社会人でも自分自身の成長にワクワクできる社会を作りたい」と思い、人材業界でも有数のサービス数を誇る貴社のインターンに興味を持ちました。
そのため、貴社のインターンシップに参加できることになった際には、チームメンバーと互いに高め合いながら、貴社のサービスや転職に関する知識を身につけていきたいと考えております。
自分の思いと経験を書くことができているため、説得力のある応募理由となっています。また、応募する企業の独自性も押さえている上に、当日のインターン内容についても把握している様子がうかがえます。
NG応募理由① 自己・企業分析甘い編
私は人々の成長をサポートしたいと考え、インターンシップに応募いたしました。
私は大学1年生から現在まで個別指導塾でアルバイトをしています。アルバイトをする中で、自分の働きかけにより、勉強が嫌いを克服し、大きく成長する姿を目の当たりにし、社会人になっても人の成長に携わっていたいと思うようになりました。
そのため、インターンに参加できた際には、仲間と共に成長できるようなチーム作りを行っていきたいと考えております。
この経験だけでは、教育関係の仕事で良いのではないかと思われてしまい、人材業界に対する熱意や思いを全く感じることができません。また、最後の文章についても、グループ形式で行うインターシップであればどこでもいいのではないかという印象を受けてしまいます。
NG応募理由② ありきたり編
私が貴社のインターンシップに応募した理由は、顧客満足度が高く、業界最大手だからです。
私は大学1年生から個別指導塾でアルバイトをしていた経験から、人々の成長に関わりたいという思いを抱きました。貴社は顧客満足度が10年連続業界1位であり、よりお客様の成長に貢献できるのではないかと考えています。また、業界最大手ということもあり、幅広い業務を経験できるのではないかと考えております。
そのため、貴社のインターンシップに参加できることになった際には、様々な役割を積極的に担い、チームで一丸となってプロジェクトを成功させたいと思います。
顧客満足度や業界最大手ということを応募理由にしてしまう人もいますが、誰でも考えつきそうな理由のため、やめておきましょう。また、「顧客満足度が10年連続1位だからお客様に貢献できる」「業界最大手だから幅広い業務に携われる」というのは一見正しいように見えますが、自分自身の勝手な想像で書いているだけなので、全く説得力はありません。
これだけはやめて!応募理由を書く時の注意事項
ここまで、インターンシップの応募理由の書き方について解説してきましたが、書く時に注意すべきことがあります。そこでここからは応募理由を書く時に注意すべき3つのポイントについて紹介します。
ネットからのコピペは絶対NG
まず1つ目は「ネットからのコピペは絶対にやってはいけない」ということです。
ここまでの内容を読んだ人であれば分かると思いますが、ネットに掲載されている例文をそのままコピペしてしまうとほぼ必ずと言っていいほど落とされます。
これまでも説明してきましたが、応募理由は自分の経験と思いに企業独自の特徴を組み合わせる必要があります。そのため、誰がどの企業に向けて書いたかもわからない応募理由では、どの企業にも刺さらず、結果お見送りとなるのです。
本記事も含めネットに載っている例文は、コピペするのではなく書く順番や言葉の選び方などを参考にする程度にしておきましょう。
指定文字数の90%は必ず書く
2つ目は「指定文字数の90%は書く」ということです。
応募理由の文字数は、多ければ多いというわけではありませんが、少ないと「書くことがないのか?」「それほど志望度が高くないのか?」と思われてしまう可能性があります。そのため、最低限の基準として90%以上書くようにしましょう。
しかし、長く書こうとして内容が薄くなってしまうと逆効果になるので、文字数が90%に満たない場合は、無理に言葉を絞り出すのではなく、再度リサーチを行い内容の伴った応募理由になるようにしましょう。
書き上げたら友人・家族にチェックしてもらう
最後は、「書き上げたら友人・家族にチェックしてもらう」ということです。
これは注意点というわけではありませんが、他者の視点からチェックしてもらうことによって、「自分の書いた文章が他人に伝わるか」「自分が思っているような意味合いで伝わっているか」ということを確かめることができます。
少し恥ずかしいかもしれませんが、提出をする前には必ず友人や家族にチェックしてもらうようにしましょう。
まとめ
ここまで、インターンシップ応募理由の考え方や書き方、注意点について例文を交えて解説してきました。
インターンシップの応募理由を書くことはとても時間がかかり、面倒に感じる就活生も多いと思います。しかし、応募理由を書くために自己分析をしたり企業分析をすることで、自分自身の就活の軸が定まっていくということもあるので、手を抜かずにしっかりと時間を取るようにしましょう。
また、上手く言語化できない時は、友達や就活仲間に話を聞いてもらい、会話を通して頭の中を整理するということも、非常におすすめです。
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