就職活動では、業界や職種について理解が深まっている学生も多いですが、インターンの段階で業界について知っている人は少数です。
インターンシップに参加することが目的の場合、志望動機を聞かれても、何を書けばいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、インターンシップに参加する際の志望動機の書き方について、解説していきます。
- 企業がインターンシップを実施する理由
- インターンシップに参加して得すること
- インターンシップに受かる志望動機のコツ
- インターンシップの選考に役立つ志望動機の書き方
- 業界別インターンシップの志望動機例文
インターンシップの選考に役立つ志望動機の書き方を学び、周りの友人よりも一歩リードして就職活動のスタートを切りましょう。
企業はなぜインターンシップを実施するの?
インターンシップの選考に通る志望動機を書くには、そもそも企業がなぜインターンシップを実施しているのかを考えることが大切です。
人材サービス業を営んでいるマンパワーグループ株式会社が人事担当者に行った調査によると、企業がインターンシップを実施する目的の上位2位は、以下の通りになります。
インターン実施する企業の目的
- 自社が求める学生を見つけるため 66.4%
- 会社の認知度を上げるため 57.9%
出典:マンパワーグループ株式会社
つまり、早い段階から多くの学生と交流することで、企業が求めている学生が選考に来やすくすることが目的です。
企業が求める学生を探すため
学生がインターンシップで志望の業界や職種の理解を深めたいように、企業も求めている学生と接触するために、インターンシップを実施します。
このような企業が求めているのは、志望度の低い学生よりも、志望度の高い学生です。そのため、ありきたりな志望動機を書くと、選考にもれる可能性があります。
より多くの優秀な学生に選考を受けてもらうため
企業の中には、できるだけ早い段階で多くの優秀な学生と交流を深め、選考を受けてもらうことが目的の企業もあります。
この場合、企業がインターンシップを実施する目的は、会社の認知度を上げることです。
そのため、志望動機を重視していないこともあり、志望度が高い学生はインターンシップに呼ばれない可能性があります。
このように、企業のインターンシップの目的によって、志望動機に求められることが変わるため、募集要項をしっかりと確認することが大切です。
インターンシップに参加して得することは?
志望動機がわからないという時、インターンシップで得られるものをはっきりとイメージできていない場合があります。
インターンシップに参加すると、本選考に生かしたり、入社後のギャップを埋めることが可能です。
そのため、インターンに参加することに意味はあると言えます。
本選考に生かすことができる
前章で解説した「企業がインターンシップを実施する目的」の一つに、企業の求める学生を探すことがありましたね。
インターンシップに参加すると、早期からその企業への志望度が高い学生であることが評価され、本選考での優遇が期待できます。
株式会社ディスコが実施した「インターンシップに関する調査」では、インターンシップ先を探す際、半数以上の人が「本選考での優遇が期待できること」を重視したと回答しています。(参考:株式会社ディスコが実施 インターンシップに関する調査)
インターンシップに参加するだけでなく、積極的に自分をアピールして企業に印象を残すことで、選考で有利になる可能性があります。
入社後のギャップを埋めることができる
インターンシップでは、実際の業務を体験したり、先輩社員との交流したりすることで、入社後のギャップを埋めることが可能です。
以下は、インターンシップを受けた学生が「その企業に就職したい理由」と「したくない理由」をまとめると以下の様になります。
【したい理由】
- 事業内容に興味が湧いた
- 職場の雰囲気がよかった
- 仕事内容が自分に合っていると感じた
【したく無い理由】
- 仕事内容が自分に向いていないと思った
- 職場の雰囲気が合わないと思った
- 入社後の待遇が悪そうだった
インターンシップに参加すると、インターネットだけでは知ることができない現場のリアルを知ることで、良い意味でも悪い意味でも、入社後のギャップを埋めることができます。
インターンシップに受かる志望動機のコツ2つ
インターンシップに受かる志望動機のコツは、以下の2つです。
- 参加の理由と目的をはっきりさせる
- 企業の求める人物像をプラスする
インターンシップの選考で志望動機を聞く場合、学生の志望度の高さを確認している可能性がある上、インターンシップを実施するために、企業は貴重な時間を割いて準備をしています。
企業側としては、興味があまりない学生よりも、その企業に興味があり、熱意がある学生に来てほしいと考えています。
また、選考に通るには、企業の担当者があなたの志望動機を読んで「会ってみたい」と思うかどうかもポイントです。
企業の求める人物像とマッチしていると、「会ってみたい」と思われる可能性が上がります。
参加の理由と目的をはっきりさせる
志望動機には、参加の理由と目的を必ず盛り込むことがポイントです。
参加の理由は、以下のように「なぜ?」と問いかけることで答えが見つかりやすくなります。
- なぜその業界、職種なのか
- なぜその企業なのか
参加の理由は、自分の過去の経験や将来やりたいことを盛り込むなど、オリジナリティを出すと人事担当者の印象に残りやすいです。
- 接客のアルバイト経験から販売職に興味を持った
- 家族が病気にかかった時に生命保険に助けられた経験から、自分も保険を通して人々を守る仕事をしたいと思った
など、上に書いてあるような実体験があると、説得力が生まれます。
参加の理由が思いつかない人は、自己分析や業界・企業研究が足りていない可能性があります。自己分析で自分の過去の経験を洗い出したり、業界研究や企業研究で知識をつけましょう。
参加目的の内容は、「参加することでを得たいのか(スキル、経験など)」です。
インターンシップの募集要項には、下記の様に企業が実施する内容が記載されています。
- 業界や企業理解を深めるための講義
- グループディスカッション
- 先輩社員との座談会
募集要項に記載されている内容から、「営業職に必要なビジネスマナーを身に着けたい」「先輩社員の話から、仕事のやりがいや大変さを知りたい」など、企業に熱意や意気込みを伝えましょう。
自己分析
自己分析とは、過去の自分の経験から、自分の強み・弱み、将来やりたいことなどを見つける方法です。
興味がある業界や自分のやりたい仕事がわからない人におすすめです。
就職活動が本格的に始まると、履歴書やエントリーシートの準備、面接対策などに追われてゆっくり自己分析をする余裕がなくなります。
できるだけ早い段階で自己分析をして、自分と向き合う時間を作っておくと、自分の軸を見つけることが可能です。
業界研究・企業研究
業界研究は、業界の特徴、仕組みなどを学ぶことです。
たとえば食品業界では、わたしたち消費者へ食品が渡るまでに、商社が買い付けをし、メーカーで加工し、小売店が販売するという一連の流れがあります。このような業界の仕組みを学んだり、業界の主要企業を調査したりします。
企業研究は、企業理念・扱っている商材・教育制度などを調査し、企業のことを深く知る作業です。企業の公式サイトやパンフレットから、情報を得ることができます。
また、業界研究と併せて競合他社を調べると、その企業の業界での立ち位置もわかります。
業界研究や企業研究がしっかりできていると、なぜその業界や企業に興味を持っているのか、説得力のある志望動機を書くことが可能なので、実施する様にしましょう。
企業の求める人物像をプラスする
参加理由と目的がしっかりしていることにプラスして、企業が求める人物像に合っていると、人事担当者にとって魅力的な志望動機となります。
企業が求める人物像を見つけるためには、いくつかの方法があります。
- 公式サイトの採用情報
- 先輩社員のインタビュー
- インターンシップの募集要項
たとえば、変化に応じて柔軟に対応できる人材を求めているのに、一つのことを長く継続したことをアピールしても、採用担当の心には響かないですよね。
柔軟な対応を求めている企業には、アルバイトで臨機応変な対応をしたことなど、柔軟さをアピールするエピソードが効果的です。
ただし、無理をして企業に合わせないように注意しましょう。無理をしないと企業の人物像に合わせられない場合、入社しても企業に合わずに早期退職をしてしまう可能性があります。
インターンシップ先の企業をじっくり探していけば、あなたに合った企業が必ず見つかるので、あせらず探してくださいね。
インターンシップの選考に役立つ!志望動機の書き方
ここでは、以下4つの志望動機の書き方を解説します。
- 理由から述べて論理的な構成にする
- 記載ルールをしっかり確認する
- 常識を守る
- 数字や具体例は積極的に使用する
それでは、一つずつ解説していきますね。
理由から述べて論理的な構成にする
志望動機は理由から述べて、論理的にわかりやすく構成することが大切です。
「当社のインターンシップ参加の志望動機は?」に対する構成は、主に下の流れで進めることがおすすめです。
- インターンシップに参加したい理由
- 業界に興味を持った理由や自己PR
- 得たいスキルなど参加の目的
人気企業の人事担当者となると、何百、何千通ものエントリーシートに目を通します。そのため、書き出しからわかりにくい文章では読んでもらえない可能性があります。
せっかく時間を割いて書いたエントリーシートを読んでもらえないなんて、悲しいですよね。
前章で解説した自己分析や業界研究・企業研究で見つかった、参加の理由と、企業の求める人物像に合った自己PRや参加目的を書きましょう。
記載ルールをしっかり確認する
エントリーシートの指示をしっかり確認することも大切です。
志望動機を聞かれているのに自己PRをメインにしていたり、300字以内と記載があるのに少なすぎたり多すぎたりすると、内容が良くても選考に通らない可能性があります。
質問と回答を一致させたり、指定字数に適した内容で文章を書きましょう。
文字の指定がある場合は、指定の文字数の80%が目安です。300字以内の場合、240字程度となります。
常識を守る
以下のように一般常識や読み手への配慮に欠けるものはNGです。
- コピペをする
- エントリーシートで御社を使用する
- 字が汚い、誤字脱字が多い
それでは順番に解説していきますね。
【NG】コピペをする
インターネットでは、わたしたちの知りたい情報をなんでも調べることができ、志望動機の例文も手に入ります。
参考程度に使用するのは問題ありませんが、そのまま使用することはNGです。
自分の文章でない志望動機は、面接で深堀された時に答えられない可能性もあるので、志望動機は必ず自分で考えましょう。
【NG】エントリーシートで御社を使用する
エントリーシートでは、貴社を使用しましょう。貴社と御社はどちらも相手企業を指す言葉ですが、御社は口頭で話す時、貴社は文書で使用するのが一般的です。
違いをしっかりと理解し、状況に合わせて使い分けましょう。
【NG】字が汚い・誤字脱字が多い
書道の先生のように字が上手である必要はありませんが、丁寧に書くことはとても大切です。
殴り書きのような字や、誤字脱字の多い文章は、いい加減で雑なイメージを持たれます。
読み手の立場に立って、丁寧に書くことが大切です。
数字や具体例は積極的に使用する
過去の経験を志望理由に入れる時、数字が書かれていると、読み手が具体的にイメージしやすくなります。
「学園祭で大勢の前で演奏した」よりも、「学園祭で800人の前で演奏した」の方が具体的ですよね。
また、「成長したい」「頑張りたい」など抽象的な言葉ではなく、「職業体験を通して、お客様のニーズを引き出す会話力を身に着けたい」など具体的な文章を使いましょう。
【例文紹介】5つの業界別・インターンシップの志望動機
ここでは、以下の5つの業界で使用できる、志望動機の例文を紹介します。
- IT
- 銀行
- 不動産
- 食品
- 人材
IT業界の志望動機例文
わたしは、IT技術を通じて人々の生活を豊かにしたい、と言う理由から貴社のインターンシップを志望しております。
わたしは大学でプログラミングを学んでおり、日々進化し続けるIT技術によって、多くの人の生活が豊かになっていることを知りました。
特にAI技術の進化はめざましく、企業だけでなく、わたしたちの生活の中で、欠かすことのできない技術です。
自分が学んだプログラミング技術で人々の生活を楽にすることが、わたしの夢です。
貴社のインターンシップでIT業界への理解を深め、最先端のIT技術がどのように作られているのか学びたいを考えております。
銀行業界の志望動機例文
貴社のインターンシップへの参加を志望している理由は、社会の発展を支えている銀行の業務を体験したいという思いからです。
わたしの両親は、住宅ローンを借りることで我が家を購入しました。思い出の詰まった我が家があるのは、銀行が住宅ローンで資金援助してくれたおかげです。
このことから、財政の援助をし、企業や個人の持つ可能性を広げている銀行業界に興味を持ちました。
融資業務に携わる仕事をすることで、個人や企業が持つ夢を実現させたいです。
貴社のインターンシップに参加することで、融資業務についての知識を得たいと考えております。
不動産業界の志望動機例文
わたしが貴社のインターンシップを志望している理由は、不動産の売買について学ぶことができると考えたからです。
わたしは、住宅展示場でのアルバイト経験があります。
いらっしゃったお客様が家を探している時の真剣な表情や、幸せそうな表情を見た時、わたしも幸せな気持ちになり、自分も家を売る仕事をしたいと感じました。
家は一生に一度の買い物であり、お客様の人生にに寄り添う大きな仕事です。自分がお客様の人生を幸せにできることに魅力を感じ、不動産業界に興味を持っております。
貴社のインターンシップでは、家の売り方や付随する業務について学び得たいです。
食品業界の志望動機例文
日本の食文化を大切にし、海外輸出を手がけている貴社に興味を持っているため、貴社のインターンシップを志望しました。
わたしはオーストラリアへの留学経験があり、現地では日本食がとても人気でした。
文化の違う人々が日本食を美味しそうに食べている姿を見て、日本人として誇らしく思い、わたしも日本食を海外に広める仕事をしたいと思いました。
この体験から、日本食を海外に輸出している食品商社に興味を持っております。
貴社のインターンシップへ参加し、食品商社の知識を深めるとともに、実際に営業職を体験することで、日本食が海外へ輸出される過程を学び得たいです。
人材業界の志望動機例文
人の良さを見つけ出し成長させる人材業界に興味があり、貴社のインターンシップに志望しております。
わたしは部活動でリーダー経験があり、20人の後輩をまとめました。
リーダーを経験して身についたスキルは、傾聴力です。常に一人ひとりの意見に耳を傾けることで、一つのまとまりのあるチームが出来上がりました。
人の強みを見つけ出し、仕事を紹介する人材業界で自分の強みを生かせると思い、興味を持ちました。
貴社の業務体験では、求職者の強みを生かした仕事を紹介し、企業と求職者、両社に利益をもたらすノウハウを学び得たいです。
まとめ
今回の記事で書かせていただいた、インターンシップの志望動機を書くコツは、「自分自身を知ること」と
「企業研究や業界研究をしっかりすること」になります。
目的をしっかり持ってインターンシップに参加することができれば、あなたの就職活動に必ず役立ちます。
今回解説した志望動機のポイントや書き方を参考に、あなたの良さや熱意が伝わる志望動機を書いてみてくださいね。
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