インターンシップの適性検査では何を見られる?対策方法と内容を徹底解説!
インターンシップには、無試験で参加できるものもあれば、適性検査に合格した人しか参加できないものもあります。特に応募者数が多く、高給の企業やホワイト企業では、参加者を絞り込むために適性検査を実施するケースが増えています。
そこで今回は、インターンシップの適性検査でよく出題される内容と対策方法について紹介します。就活前にこの記事を読んで、適性検査で見られているポイントを把握し、希望のインターンシップに参加しましょう。
インターンシップで見られるのは「学力」ではない!
インターンシップの適性検査と聞くと、どうしても「頭の良さ」を測定して、学力の高い学生を選別しようとしているとイメージする人も多いでしょう。しかし、企業側が適性検査で測定しようとしているのは「知能(知的能力)」です。
知能は、学力とイコールになるとは限りません。もちろん学力も多少は含まれますが、知能の高さを決めるのは、問題解決能力の高さです。厚生労働省では、知能を「単に学習で覚えた知識や学力ではなく、様々な状況や環境に合理的に対処していくための土台となる能力」と定義しています。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-040.html)
企業が学力を測る目安にしているのは学歴です。だからこそ、適性検査では学力ではなく、問題場面に向き合った時に適切な問題解決ができるかどうかを調べようとしているのです。
実際に出題されたことがある適性検査の名称と内容
人気のインターンシップでは、参加人数を絞り込み、よりよい人材にインターンを経験してもらうために、適性検査を行なっています。そこで出題されるテストには、いくつかのパターンに分けることができます。
ここでは、実際にいくつかの企業で出題されたことがある適性検査について、「知能を測定する検査」と「性格を測定する検査」の2つに分けて、その内容について解説します。
知能を測定する検査
いかに問題場面を適切な方法で切り抜けるかが問われるのが知能検査です。難易度テストを分けるのではなく、どの企業もほぼ同じような種類のテストを行い、あとはその採点の基準で自社のインターンシップを受けさせる意味があるかどうかを判断しています。
知能はさらに細かく分類すると「言語領域」と「非言語領域」に分けることができます。この2つの大きな領域について、以下のような適性検査が実施されることがほとんどです。
SPI3
SPI3は、リクルート社が開発・発行している適性検査です。年間利用社数は13,600社、受験者数は204万人という、適性検査の中では高いシェア率を誇る王道と言えます。(参考:リクルート https://www.spi.recruit.co.jp/)
SPI3は、履歴書や面接試験ではわかりにくい受験者の資質を測定します。そのため、インターンシップではもちろんのこと、本番の採用試験でも非常に多く用いられています。
SPI3は「言語」「非言語」「性格」の3領域に分かれていて、紙ベース(マークシート)、パソコンでの受験なども可能です。新型コロナウイルスの影響で、自社内で適性検査が行われるケースは激減していることから、最近ではもっぱらパソコンでのWeb受験が多くなっています。
言語領域では、四字熟語の穴埋めや同音異口の漢字や故事成語などが問われます。非言語領域では、集合や確率、推論、場合の数、長文読み取り計算などが出題されます。ただし、問題はもちろん毎年変更されているため、ネットで検索して出てくるような問題とまったく同じ問題ではありません。
また、性格検査では「物事を素早く決めることができる」「よく考えてから行動する」などの質問項目に対して、点数をつけて回答していきます。ここでは実際にインターンとして採用した際に、企業に欲しい人材が持つ性格かどうかを確認されています。
玉手箱
玉手箱は、製薬会社や金融機関などの採用試験でもよく導入されている「GAB」「CAB」といった適性検査を開発・発行している日本エス・エイチ・エル社のWeb版適性検査です。
「能力テスト」と「性格テスト」に大きく分けることができます。能力テストの中に「言語」「係数」「英語」、性格テストの中に「性格」「意欲」が含まれていて、さらに言語テストに2種類ある…というように、やや複雑な階層構造のテストです。
この階層構造の中で、企業は好きなように問題を組み合わせていくのが玉手箱の大きな特徴です。例えば、外資系の製薬会社がインターンを募集する場合、「英語」は必須です。さらに論理的な思考が求められるため「係数」で理系の思考能力を検査し、「意欲」を組み合わせることで、「英語の能力がある程度高く、意欲的で論理的思考が得意な学生」を選考することができます。
インターンの適性検査が玉手箱だとわかった時点で、全ての問題に対策するのはかなり難しくなります。もしも事前に出題されるのが玉手箱だとわかった場合、企業の求める人材から、企業が選んでくるであろう問題のタイプについて、ある程度の絞り込みが必要です。
自社作成の適性検査
過去に実際に出題されることがあった適性検査が「企業が独自で作成している検査」です。結局SPIにしても、玉手箱にしても、書店でたくさんの傾向と対策のための書籍が並んでいます。
ちょっと頑張って対策すれば、問題の傾向もつかめて、事前に対策しやすく、学生本来の資質を見抜くという点では有用ではないという見方もできます。
そのため、企業によっては事前に対策することが不可能な問題を自社で作成し、出題するケースもあるのです。自社作成のため、出題された内容についてはほぼ門外不出であり、事前に知ることは難しいのが現実です。
過去にインターンシップに応募して実際に出題された内容としては、「英語の長文読解」「損益計算」「時事問題」など様々な領域にわたります。
さらに問題の記憶と流出を防ぐ目的で、制限時間が短く設定されている傾向があります。
性格を測定する検査
知能検査の中で性格検査も併せて実施するケースも多いのですが、知能検査と性格検査を別の媒体で分けて実施する企業もあります。特にSPIでは、知能検査はSPIで実施して、性格は別の性格検査で細かく見るという企業も多いのです。
実際にインターン前に企業で実施されることが多い性格検査について紹介します。
Y-G性格検査
矢田部・ギルフォード性格検査(以下、Y-G性格検査)は、120項目から成る日本有数の心理検査です。「小さなことでもなかなか決断できない」といった質問項目に対し、「◯」「△」「×」で回答していきます。
これらの質問によってわかるのは、12の性格特徴におけるそれぞれの強さと弱さです。つまり、「神経質」という性格特徴の点数が低い場合、「神経質ではない傾向が強い性格で、小さなことは気にしない傾向がある」と分析されるということです。
1つのテストで学生の性格の細かなところまで分析できるため、インターンに力を入れている企業では実施されやすくなっています。
内田クレペリン検査
Y-G性格検査と同様の心理検査であり、その中でも作業検査と呼ばれるタイプのものです。
作業検査と呼ばれる理由になるように、内田クレペリン検査は、実際に受けている人からすると「ひたすら足し算を繰り返すだけの作業」と感じられるでしょう。
検査の内容としては、隣あう一桁の数字を足していくだけです。このような検査で、いったい何が測定されているのでしょうか。
それは、「作業への向き合い方」です。単純で簡単な足し算を続けるという作業に対しての人の態度は様々です。同じペースで淡々と解き続ける人、最初はペース早めに飛ばすものの後半は集中が切れてしまう人、ガンガン進めているように見えて単純な足し算でも間違いが多い人、課題の難易度の低さに最初からモチベーションが高く持てずに適当にあしらってしまう人。
これらの態度は、実際に勤務した時の作業と共通するものがあります。
同じペースで正確な作業を繰り返す人、最初の勢いは良いが昼過ぎになるとサボりだす人、やっているように見えてミスが多い人など、これはまさに仕事への態度そのものなのです。
製造業やエンジニアのように、淡々と仕事を進めるタイプの職種では、内田クレペリン検査が実施されることが多くなっています。
インターンシップ選考で出題される適性検査への対策
希望の企業でインターンを経験するためには、上記で紹介してきた適性検査をクリアする必要があります。ここでは、各種適性検査に合格するための対策について解説します。
SPI3・玉手箱への対策
SPIや玉手箱については、歴史が古く、出題された問題についても把握することができます。効率的に対策したい場合は、各出版社が出している対策本をくまなく、そして繰り返し解くことが有効です。
SPI対策で特におすすめなのが、【主要3方式〈テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング〉対応】 これが本当のSPI3だ! 2022年度版 (本当の就職テスト) です。(参考:https://www.amazon.co.jp/gp/product/B085NQ6YF6/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B085NQ6YF6&linkCode=as2&tag=cacademy0e-22&linkId=052f7b1b214df1de3be3b5ed54885b11)
この対策本はSPIノートの会が発行していて、SPIの過去の出題問題から細かく出題予測しています。さらに解説も非常にわかりやすく、解法までしっかり理解できるような作りになっています。
玉手箱の対策なら、【玉手箱・C-GAB編】 これが本当のWebテストだ! (1) 2022年度版 (本当の就職テスト)がおすすめです。(参考:https://www.amazon.co.jp/gp/product/4065199026/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4065199026&linkCode=as2&tag=smartstudents-22&linkId=3cf373eab6b9f0b5f24354eb5225adc8)
こちらも同じくSPIノートの会著であり、頻出問題の傾向を把握し、実際に解くところまでをこの1冊で網羅できます。電子書籍で購入することもできますが、書籍で購入して最低でも3周しておけば、どのタイプの問題が出題されても万全の体制で臨むことができるでしょう。
自社作成の適性検査への対策
現実的な対策方法は、やはり出題傾向について、OB・OGに直接質問することです。この対策を実行するためには、事前にオンラインでもオフラインでも、OB・OG訪問しておくことがベースとなります。
事前に関係性を構築してから、「絶対にインターンシップに参加したいのですが、先輩がインターンに参加したとき、どのようなタイプの問題が出題されたか教えていただけませんか?」などと連絡しましょう。人によっては、出題傾向に限らず、実際に出されたことがある問題を教えてくれることもあります。
そこから傾向がわかったら、内容について集中して学べそうな対策本で、問題への耐性をつけておくことが効率的な対策方法だと言えます。
Y-G性格検査、内田クレペリン検査への対策
性格検査は本来、学生の本質的な性格傾向を測定するものですから、対策をとるのは倫理的に良いとは言えません。
しかし、どうしても参加したいインターンシップの場合、ある程度対策をすることは可能です。
例えば、企業が欲しがっている人材像をあらかじめ調べます。「自分で考える人」なのか「企業の言うことに従う人」、あるいは「外交的でバシバシ動く人」なのか「内向的でよく考えて慎重に行動する人」など、企業によって求める人材像には違いがあります。
この情報を掴んでおけば、あとは「そのような人に見える」ように回答・作業するだけです。外交的な人に見せたい場合は、そのような質問項目に◯をつけ、反対の項目には×をつけます。内田クレペリンでも、慎重に見せたい場合は作業スピードを落としてでも、1つ1つの問題を間違えないように慎重に解いていけばいいのです。
ただ、ここで注意点があります。Y-G性格検査では「反転項目」と呼ばれる項目があります。質問が逆説的になっていて、よく考えないと全く別の性格特性だと計算されてしまいます。
質問項目をよく読み、反転項目では◯と×を入れ替えて答えるようにしましょう。
まとめ:時間制限も敵の1つ!対策を十分にして希望のインターンシップに参加しよう
ここまで紹介してきた適性検査に共通するのが「時間制限」という問題です。出題数が多いのに、回答時間が45分、短いと20分などで制限されています。
どんなに対策をして解答できる準備ができていても、半数しか答えられなければ合格点に達することができずにインターン不採用となってしまう可能性があります。
対策の1つとして、問題を早く性格に解くことを念頭におき、できる問題から取り掛かって取りこぼしをなくすことが大切です。インターンシップが実際の就活にも有利に影響することもあるため、第一志望の企業のインターン選考がいつ行われてもいいように、適性検査への対策を日課として取り入れましょう。
しっかり対策し、適性検査をクリアできれば、理想の就活への近道となるはずです。
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