この記事を読んでいるあなたは、「就職活動に向けて、少しずつ準備をしたい」と思っているのではないでしょうか。就職活動の準備を早くすればするほど、業界や職種への知識が増えて、他の学生に差をつけることができます。
インターンシップへの参加は、早期の就活準備として有効な手段です。
さまざまな企業のインターンシップに参加すれば、本格的な就職活動で、経験を武器に周りの学生と差をつけることができますが、参加目的やメリットを知らずにただ参加するだけでは、あまり意味がありません。
この記事では、「インターンって何のために参加するの?」という方に向けて、インターンシップについて解説します。
- インターンシップに参加する4つの目的
- インターンシップの基本|開催時期や内容とは?
- インターンシップに参加する3つのメリット
- インターンシップ参加の4つの注意点
インターンシップへの参加を就職活動に役立てるために、目的、メリット、注意点をしっかりと意識することが大切です。周りの友人よりも一足先に、就活準備を始めましょう。
インターンシップに参加する4つの目的とは?
学生がインターンシップに参加する目的は、以下の4つです。
- 業界、企業、職種への理解を深めるため
- 企業が自分に合っているか確認するため
- 就職活動の選考を有利にするため
- 社会人と一緒に働き、成長するため
インターンシップの参加を就職活動に役立てるために、まずはあなたなりの参加目的を探しましょう。
目的① 業界・企業・職種への理解を深めるため
学生がインターンシップに参加する目的の一つは、業界・企業・職種の理解を深めるためです。
就職活動の面接では、企業への志望動機やなぜこの業界、職種なのかを聞かれますが、知識や経験がないと質問に答えられなかったり、ありきたりな回答になってしまいます。「なぜ?」の問いかけに対して堂々と答えることができれば、企業に対して熱意を伝えることが可能です。
熱意ある志望理由を見つけ出すには、「あなたが興味のあること」であるかどうかがポイントになります。興味がなければとことん調べることができず、熱意を伝えることも難しいからですね。
「マイナビ2022年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)」によると、学生が応募や申込で重視することの上位5つは以下の通りです。
マイナビ2022年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)
- 興味のある業界である 84.9%
- 興味のある企業である 68.2%
- 興味のある職種である 65%
- プログラム内容が魅力的である 39.2%
- 参加しやすい場所で開催される 36.8%
出典:株式会社マイナビ
半数以上の学生は、業界・会社・職種に興味を持てるかどうかを基準に、インターンシップへ応募します。また、インターンシップの内容が魅力的であるかどうかも、大切なポイントです。
あなたが興味のある分野、魅力的だと思う内容のインターンシップがあれば、迷わず応募することをおすすめします。
目的② 企業が自分に合っているか確認するため
将来働くかも知れない企業が、自分に合っているか事前に確認するために、インターンシップが有効です。
インターンシップは、数日のみ実施する企業もあれば、数週間~数か月実施する企業があります。中期や長期のインターンシップであれば、実際の業務を体験できるため、興味がある職種が自分に向いているのか、選考前に確認することが可能です。
また、インターンシップを通して先輩社員と行動をともにすることで、企業の雰囲気や仕事の大変さなど、公式サイトだけではわからない情報が手に入ります。
企業や職種への憧れだけで入社した場合、入社後のギャップが大きく、早期退職になる可能性が高まります。
その点インターンシップで現実を知っておくと、「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防ぐことができます。
目的③ 就職活動の選考を有利にするため
就職活動の選考を有利にするために、インターンシップに参加する学生もいます。
キャリタス就活2021を運営している、株式会社ディスコの「インターンシップに関する調査」によると、インターンシップ参加後の企業から優遇されたこと上位3つは以下の通りです。
インターンシップ参加後の企業から優遇されたこと上位3つ
- 早期選考の案内 36.3%
- インターン参加者限定セミナーや懇談会の案内 33.7%
- エントリー(プレエントリー)の案内 29.4%
また、中には筆記試験や選考回数の減免、内定獲得した人もいました。
出典:株式会社ディスコ
インターンシップに参加することで、他の学生よりも早く選考に関する情報をGetできるだけでなく、パフォーマンス次第では、そのまま内定を獲得することも可能です。
また、学生がインターンシップを就職活動に役立てたいと考えているように、企業の多くは、インターンシップの実施を就職活動の一環としています。
さらに、経済産業省の調査によると、インターンシップを新卒の採用経路の一つとしている企業は62%でした。(出典:経済産業省)
以上のことから、インターンシップに参加することは、就職活動に有利に働くと言えます。
目的④ 社会人と一緒に働き、成長するため
就職活動のためだけでなく、自分の成長のためにインターンシップに参加する学生もいます。
学生生活やアルバイトでは、同世代の学生と接することが多いですよね。そのため、世代の違う社会人と一緒に働くことは、貴重な経験になります。インターンシップへの参加は、業務内容だけでなく、社会人としてのマナーや言葉遣いを学び、人として成長する機会です。
また、成長を実感できることはインターンシップへの満足度にも影響し、自分の成長を実感できた人ほど、インターンシップへの満足度が高いという結果が出ています。
以下のデータは、インターンシップ経験で成長と満足度の割合をあらわしたものです。
インターンシップ経験で成長と満足度の割合
- 大きく成長を実感できたと感じ、参加に満足した人 98.7%
- やや成長を実感できた 〃 92.4%
- あまり成長を実感できなかった 〃 54.7%
- まったく成長を実感できなかった 〃 25.7%
出典:株式会社ディスコ
「参加して良かった」と思えるインターンシップにするためには、興味のある分野に参加するだけでなく、自分なりの目標を設定して、成長を実感できることが大切です。
インターンシップの基本を知っておこう!開催時期や内容を徹底解説
インターンシップの参加チャンスを逃さないために、インターンシップの基本を知っておきましょう。
ここでは、インターンシップについて以下の4つを解説します。
- いつ頃から準備を始めるべきか
- 参加に適した時期
- 参加期間はどれくらいか
- どんな内容があるか
それでは詳しく見ていきましょう!
いつ頃から準備を始めるべき?
インターンシップに関する調査によると、「インターンシップに関する情報を探し始めた時期/よく探していた時期」で最も多いのは、大学3年生の6月・7月です。半数以上の学生が、就職情報サイトで情報を集めています。(出典:株式会社ディスコ)
多くの学生が、3年生で参加をするので、1.2年生ですでに参加しておけば、周りとの差をつけることができます。
参加に適した時期は?
一年の中で、インターンシップの参加に適した時期は8月~12月頃です。
経済産業省の調査によると、企業がインターンシップを実施する時期で最も多いのは、夏休み(63.1%)、その次が9月~12月18.8%になります。(出典:経済産業省)
特に、夏休みの期間はインターンシップを実施する企業が多いため、多数の実施企業から魅力的なものを選ぶことができます。そのため、夏休みに参加することがおすすめです。
「マイナビ2022年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(8月)」によると、インターンシップ参加経験がある学生は、7月の時点で34.2%でしたが、8月になると61.4%となり、参加者が2倍に増えています。(出典:株式会社マイナビ)
多くの学生が夏休みを利用して、インターンシップに参加していることがわかります。
参加期間はどれくらい?
多くの学生のインターンシップの参加期間希望は、数日間のみです。
マイナビの調査によると、インターンシップに参加したい期間で最も多いのは1日(73.7%)、その次が2~3日(65.6%)でした。(出典:株式会社マイナビ)
ただし、数日間のみの場合は、職種や企業のことを理解する期間として不十分の可能性がありますので、実際の業務を体験して自分に合っているか知りたい人は、長期での参加をおすすめします。
経済産業省の調査では、企業のインターンシップ実施期間で最も多いのは、2週間程度でした。(出典:経済産業省)
また、少数派ですが、2か月程度かそれ以上実施する企業もあるため、就職情報サイトなどを活用して探してみてくださいね。
どんな内容があるの?
企業によるインターンシップはさまざまな形態がありますが、経済産業省は、以下5つの分類に分けて、企業の実施状況を調査しました。
- 仕事理解型…数日~2週間程度の職場見学・業務体験が中心
- 採用直結型…実際に一緒に働いてみて、お互いを見極める採用活動の一環
- 業務補助型…普通のアルバイトでは体験できないような企業の業務に取り組む。1か月以上の長期が多い。
- 課題協働型…企業と大学を行き来して、課題発見や計画立案に取り組む
- 事業参画型…企業の新規事業や変革プロジェクトの一環として業務に取り組む。半年間の長期となることもある
以下は、それぞれの類型の実施状況をあらわしています。
インターンの実施状況
- 仕事理解型 76.3%
- 採用直結型 29.6%
- 業務補助型 13.6%
- 課題協働型 3.5%
- 事業参画型 3.5%
出典:経済産業省
期間の短い「仕事理解型」で、職場体験や業務体験を行っている企業が多数派でした。
インターンシップでは、企業によって実施する内容が異なります。インターンシップに参加する前に、企業がどのような内容で実施するのかをしっかり確認してくださいね。
参加すると何が変わる?インターンシップに参加する3つのメリット
インターンシップに参加するメリットは、以下3つです。
- 志望度やモチベーションが上がる
- 企業の悪い部分を知ることができる
- 社員との交流で、現場の声を聞くことができる
それでは、順番に解説していきます。
志望度やモチベーションが上がる
インターンシップで実際の業務体験や職場を見学することで、「ここで働きたい!」という気持ちが増す人も多いです。調査によると、参加前は「この業界に就職したい」という人が最多でしたが、参加後は「この企業に就職したい」という人が最多でした。
インターンシップ参加前後の志望度の変化の調査結果
参加前 参加後 この企業に就職したい 24.2% 45.9% この業界に就職したい 36.7% 24.3% 出典:株式会社ディスコ
上記の結果は、インターンシップに参加することで、参加した企業を就職先として意識することができたためだと考えられます。公式サイトなどネットの情報ばかり集めるのではなく、実際に体験することが大切ですね。
また、企業によっては個別にフィードバックをしてくれるところもあり、自分のモチベーションアップにも繋がります。
企業の悪い部分を知ることができる
インターンシップに参加することで、企業の表面的な部分だけでなく、悪い部分も知ることが可能です。インターンシップに参加して、その企業への志望度が高まった人もいれば、参加したことで「その企業へ就職したくない」ということがわかった人もいます。
調査によると、参加した学生がその企業に就職したくない理由の上位3つは以下の通りです。
インターン参加後に感じたこと
- 仕事内容が自分に向いていないと思った 49.7%
- 事業内容に興味が持てなかった 46.4%
- 職場の雰囲気が合わないと思った 25.8%
出典:株式会社ディスコ
上記のように、インターンシップに参加することで、良い意味でも悪い意味でも、選考に応募するべきかの判断材料になります。
社員との交流で、現場の声を聞くことができる
インターンシップを実施する企業の多くは、先輩社員との座談会を実施しています。実際にその企業で働いている人の話を聞くことで、職場の雰囲気や仕事の大変さなどを確認することが可能です。
社員との座談会が有意義な時間になるように、事前に気になることをまとめておきましょう。
知っておくと役に立つ!【インターンシップ参加の注意点4つ】
インターンシップ参加の注意点は、以下の4点です。
- 募集内容を良く確認する
- 有給インターンは少数派
- インターンシップの質は企業によって異なる
- 企業の負担を理解しておく
注意点を事前に知っておくと、あなたのインターンシップがさらに充実したものとなります。それでは順番に解説します。
募集内容をよく確認する
基本的なことですが、インターンシップの募集内容は、応募前に良く確認することが大切です。
企業が公開しているインターンシップの内容を必ず確認し、自分の求めていることと一致しているか確認しましょう。
たとえば、
・社員との接点があるかどうか
・説明だけでなく、体験やフィードバックがあるか
・就職活動で優遇されるか
など、自分の成長や就職活動への優遇が期待できる内容だと、参加するだけでも有意義なインターンシップになります。
有給インターンは少数派
企業によっては給与が出るインターンシップを実施しているところもありますが、そのような企業は少数派です。経済産業省の調査によると、大企業よりも、中小企業になるほど、無給の割合が高くなるというデータがあります。
以下のデータは、インターンシップで交通費、日当・食費、宿泊費、インターンシップの保険料いずれも支払っていない企業の割合です。
給料のない企業の割合
- 中小企業(300人以下) 54.5%
- 中堅企業(301~999人) 30.2%
- 大企業(1,000人以上) 22.2%
出典:経済産業省
また、日当や食費を支払う企業は、採用直結型のインターシップを行った企業に多い傾向です。給与が出るインターンシップを希望する人は、大企業や、採用直結型のインターンシップを狙いましょう。
インターンシップの質は企業によって異なる
インターンシップにどれだけ力を入れるかは、企業によって異なります。
以下は、学生がインターンシップに参加して不満に思った点をまとめたものです。
学生がインターンに不満に感じた点
- 参加者に対して人事社員が少ない
- フィードバックや社員との接点がなかった
- 会社説明中に社員が後方で雑談していた
- 実施内容が薄い
参考:株式会社ディスコ
上記のように、企業の中には、人員に余裕がなく十分な対応ができない、社員のやる気がないなど問題を抱えている場合があることを事前に理解しておきましょう。
企業の負担を理解しておく
インターンシップの実施は、企業にとって負担になっていることを理解しておくことが大切です。
経済産業省の調査では、「インターンシップ実施時の課題や負担感が大きかった事柄」で最も多かったのは、「指導役を務める社員の負担」、その次が「受け入れの準備(仕事の選定など)」でした。(出典:経済産業省)
インターンシップ受け入れ先の社員は、普段の業務をこなしながら学生を受け入れる準備をします。企業がそこまでしてインターンシップを開催する理由は、より多くの学生に選考を受けてもらい、優秀な人材を確保するためです。
忙しい合間に準備してくれていることを忘れずに、インターンシップに参加する際は、企業研究や業界研究をしっかりした上で、全力で取り組みましょう。
まとめ
インターンシップの参加を有意義なものにするためには、目的をしっかり持って参加することが大切です。今回解説したインターンシップの目的から、あなたなりの目的を探してみてくださいね。
インターンシップを就職活動の一環としている企業も多いため、事前準備をしっかりとした上で、参加しましょう。
業界・企業研究をしっかりしておく、先輩社員への質問事項をまとめておくことで、一つでも多くの情報を手に入れて、就職活動に役立たせてくださいね。
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